変形性膝関節症

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは?

 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、徐々にO脚、X脚変形が進んで、痛みが生じてくる疾患です。多くの場合は、半月板も切れたり裂けたりしています。変形が進行すると、次第に歩くことや、階段の上り下りなど日常生活が不自由になっていきます。 

 スポーツ活動や交通事故などの骨折を含めたケガが原因で、変形性膝関節症に至ってしまう方もいらっしゃいますが、多くの場合は、加齢により進行していくタイプです。 

 メカニズムとして以下のことが指摘されています。最初は、軟骨のわずかなすり減りからスタートします。すり減る→炎症が起きる→水がたまる→軟骨がダメージを受ける(はがれやすくなる)→すり減る、といった一連の流れが起こります。治療をせず放置していると、最終的には軟骨は消え、骨も変形してゴツゴツし、関節がスムーズに動かせなくなることになります。途中から痛みが強くなって、普段できていた生活が不自由になってきます。 

 タバコを吸うことなど、軟骨自体を弱くさせ、軟骨がすり減りやすくなることで変形性膝関節症の進行を加速させる原因も指摘されています。 

 もちろん、同じような変形があっても、普段どれだけ動いているか、生活スタイルや仕事の負担の違い、スポーツをどれだけしているかなどで、一人ひとり痛みが異なります。痛みも違えば、不便さも違います。したがって、治療法も変わってきます。

こんな症状がでてきたらご相談ください

  • 安静時や睡眠時に膝が痛い
  • 歩くときに膝が痛い
  • 膝を動かすとゴリゴリと音がする
  • しゃがみこみ、動作開始時に痛みがある
  • 膝関節が腫れている
  • O脚、X脚に変形している

治療法

保存療法

 治療の基本は、保存療法といわれる手術以外の治療法です。 

 膝に負担をかけないようにするために、動く量を減らす=安静にする、体重をコントロールする、膝周囲の筋力訓練・ストレッチなどの方法があります。薬を使う治療法としては、消炎鎮痛薬(内服・シップ・塗り薬)を使用して、炎症の改善を図る方法と、膝関節に直接薬剤を注射する方法があります。注射の代表例はヒアルロン酸です。軟骨表面を保護し、炎症を改善させる効果があります。 
 なお、ヒアルロン酸・コンドロイチンなどの健康食品を摂ることは積極的に推奨される治療法ではありません。


手術療法

変形性膝関節症治療に対するポリシー

年齢とともに軟骨が摩耗する変形性膝関節症の治療法には、保存治療から手術治療まで多くの治療法が存在します。
当院では患者さんの症状とニーズをしっかり理解し、その患者さんにはどの方法が適切かを一緒に選択し、決して保存療法や手術治療に偏らない治療を行いたいと考えております。

人工関節手術は医学の進歩とともに、現在日本では年間5万件以上行われ、とても優れた手術方法となりました。膝の変形が高度な高齢の患者さんで、最終手段として人工関節手術しか選択肢がない場合にはとても素晴らしい手術だと実感しておりますが、最近では比較的変形の軽い、若い患者さんにも安易に行われるようになってきました。

しかしながら、人工関節はやはり人工物であり、自分の生まれ持った膝には勝てません。手術は安易に行うべきではないと考えております。当院の膝関節治療に対するポリシーは、人工関節ではない自分の膝を一生痛みなく使うことができるためのお手伝いを最大限行うこと、と考えております。