前回の記事でダイエットで最初に取り組んでほしいことは

カロリーを気にした食事制限でも、ハードな筋トレでもなく、

「生活習慣を見直すこと」だと書いています。

その中でも特に重要なのが、睡眠の時間と質を確保することなんです。

 

 

スタンフォード大学の「睡眠時間と肥満度の相関をみた研究」では

睡眠時間が7～8時間の人が肥満度が最も低く、それより短くても長くても肥満度は上がる

と報告されています。

 

また、コロンビア大学の研究チームによれば

肥満になる確率が、6時間以下の睡眠では23％、5時間以下では50％、4時間以下では73％高くなる

と報告されているのです。

体重の増加は食事（摂取）と運動（消費）のバランス関係に問題があるはずなのに、睡眠が影響するなんて不思議ですよね。

 

今回もダイエットが中々続かない、上手くいかない方必見の記事です。

なぜ睡眠不足が体重の増加に影響するのかについて解説します。

 

睡眠不足が体重増加の原因となる理由とは?

・食欲を乱す

寝不足は食欲を抑制するレプチンの分泌を減少させ

食欲を増進させるグレリンの分泌を増加させます。

ホルモンの働きには、自分の意志で抗うことが困難であり、結果として

高脂肪・高カロリーな物を食べ過ぎてしまいます。

 

・体脂肪が燃えにくい

寝不足だと頭がぼーっとするため、無意識のうちに活動量が落ち

消費カロリーが落ちます。

コルチゾールが過剰に分泌され、脂肪を蓄積しやすくもなるのです。

また、脂肪を燃やし、筋肉を修復する”成長ホルモン”は寝ている間に分泌されますが

寝不足だと分泌量が減り、本来、夜に燃焼されるはずの脂肪が

蓄えられたままになってしまいます。

 

・イライラや不安が増える

気分を安定させるセロトニンの分泌が減り、ストレス食いや不安食い、

食べ過ぎに繋がります。

 

・腸内環境を破壊する

寝不足で自律神経が乱れると、腸もその影響を受け、腸内環境が乱れます。

腸内環境が崩れると食事を摂っていても、栄養がきちんと吸収されずに

エネルギーと使えず、溜め込みやすくなってしまうんです。

 

このように、睡眠不足は身体の中で様々な機能を破綻させ、体重増加を助長します。

食欲や代謝、気分、腸内環境全ての根底に睡眠があることがわかりますね。

 

どうしても睡眠時間が確保できない、眠れないときは?

お仕事や家事に追われていると、ちゃんと睡眠をとりたくても

どうしても時間が確保できない、眠りたいけど中々寝付けない、という場合もあると思います。

そんなときには、以下の内容を実践していただくことをおススメします。

 

・起床直後に、朝日を浴びる

1日の目覚めと眠りのタイミングを調節している体内時計は、太陽の光でリセットされます。

起きてすぐ薄暗い部屋にいるまま、光を浴びずにいると、夜に寝付く時間が少しずつ遅れるので

生活が夜型化して朝起きれなくなってしまいます。

 

・眠れなくなってから寝床には入り、朝起きる時間は遅らせない

無理に眠ろうとすると、緊張が高まり、余計に眠れなくなってしまいます。

心身ともにリラックスした状態にして、眠たくなってから寝ましょう。

遅くに寝ても、決まった時間に起き、朝日を浴びることで

入眠時間も徐々に安定していきます。

 

・短時間の昼寝をする

時間は15～20分がベストです。タイミングは夜の就寝時間の8時間前までに。

この8時間はしっかりと覚醒を保っておくことが、夜の睡眠を妨げないコツでもあります。

20分眠れなかったとしても気にすることはなく、ほんの少し目を閉じるだけでも

リフレッシュ効果があると言われています。

 

・日常に適度な運動を取り入れる

夕方から夜に（就寝時間の3～4時間前に）軽めの有酸素運動（早足の散歩や

軽めのランニング）を30分～1時間行うことで寝つきもよくなり、深い睡眠を

促してくれます。

その時間帯での激しすぎる運動は脳が興奮状態になり

覚醒を助長してしまうので、行う場合はタイミングに注意しましょう。

就寝の30分から1時間前は、ストレッチやヨガだとリラックス効果もあるので

おススメです。

 

 

できる限り、７～8時間の睡眠時間を確保することが望ましいですが

難しい場合は上記を実践してみてください。

 

休日の寝だめには効果がないどころか、生活リズムを崩し

自律神経を乱すもとになるため控えましょう。

 

朝は早く起き、1日を活動的に過ごすことで適度な疲労感を得られ、質の良い睡眠に繋がります。

今一度睡眠の大切さを認識し、ご自身の眠りについて見直してみてください。

 

管理栄養士　西山